第二章「マレアとイオニーネ」【11】
レゴとフィレントは落ち込んでいました。まじめなフィレントは元より、あのレゴでさえ肩を落とし頭を垂れていました。それを見つけたノドモスがふらりと2人のところへと歩いてきました。そしてレゴの隣に腰を下ろして、何があったのか問い掛けました。レゴはなかなか口を開かなかったので、かわりにフィレントが事の顛末をノドモスに語って聞かせました。ノドモスはフィレントの話を最後まで静かに聞いていました。それから、こう言いました。
「ミスはミスで仕方のない事だ、今度の汚名は次で挽回すればいい。気にすることは無いさ、マスグが怒ったとしてもその場限りの事だし、ヤスブ様はいつまでも部下の失敗を根に持つ男でもないからのう。しかし、ニスベアでそんな事があったとは知らなかったぞ。マレアはそんな事これっぽちも言わなんだが。」
「僕が口止めをしておいたのです。マレアが白森の村の事を思い出していると知ったら、ヤスブ様が心配するから黙っておくように、と。」
「頭がいいんだか悪いんだかわからんのう、お前たちは。」
そう言いながらノドモスは笑っていました。レゴはその間もこの世の終わりのような顔をしていました。ノドモスはレゴの顔を覗き込んでこう言いました。
「そんなに落ち込んでいるなら、レゴよ、イオニーネに言って慰めてもらうか?」
イオニーネの名を聞いて、レゴははっと顔を上げました。
「やめてくれ!イオニーネに慰めてもらうなんて冗談じゃない!俺は大丈夫だ。じいさん、決して余計な事は言わないでくれよ。フィレントもな。」
ノドモスとフィレントは顔を見合わせて笑っていました。
ヤスブのそばにはトーレンとマスグがいました。マスグは既に冷静さを取り戻しているようです。3人はこれからの事について話し合っていました。
「これからの事を決めておかなければならない。」
とヤスブが言いました。
「我々がここにとどまっている間に何か仕掛けてくるかもしれん。早ければ今夜にでも襲ってくる可能性があるな。そこで隊を2つに分ける事にする。2人にはそれぞれのリーダーになってもらう。トーレンのグループにはニダロ、アクベイ、エトン。マスグのグループにはピルセン、レゴ、フィレントだ。これからはグループごとに固まって行動する事、よいな。」
「レゴとフィレント、2人とも俺のところですか?」
マスグが驚いて言いました。
「そうだ、二人はいっしょの方がいいだろう。確かにあの二人には甘い部分がある。だが、もしお互いが刺激しあえるようになればぐんと成長するだろう。そのためにもマスグ、お前が二人を一から鍛えてやってくれ。奴らはあれで、お前を尊敬しているのだ。それはお前にもわかるだろう?」
「いいじゃないか、お前とピルセンなら剣術を教わるのにもってこいだしな。」
トーレンが珍しく冷やかしの言葉を口にしました。マスグは仕方が無いといった顔をしています。
「それでは、この件はこれで決まりだな。次の話題に入ろう。」
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