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第一章「初恋とカリスの実」【10】

「お前たち、そこで何をしている?!」テーブルのイスについていた兵隊やデムたちも一斉に窓の方を見ました。眼を閉じていた兵隊も顔を上げ、そちらに眼をやりました。マレアは素早く席を立ち玄関から外へ出ました。そしてマレアはそこにパティンだけではなく、自分の妹といつもの少年たちの姿があることに気付きました。「どうしたの、みんな?!」「お姉ちゃん…。」最初に彼女に振り向いたのはシノンです。次いで顔を向けたルイルとパティンは黙ったままマレアを見ています。でもキオは窓から顔を出している兵隊をじっと見上げていました。キオはそして、ゆっくりと声を出しました。「マレアを…」「あん?」「マレアを連れて行くな!!」マレアの後ろにはいつの間にか無精ひげの人が立っていました。そしてはっと思い出したようにつぶやきました。「君たちか…。」キオもその人の気配に気付いて玄関の方を見ました。彼もキオを見ています。でも今日はキオは怖くありませんでした。その人をにらみ返しています。先に視線をそらしたのは無精ひげの男でした。でも顔は笑っているようでした。そして家の中にいる仲間に向かってこう言いました。「マスグ、トーレン、一度帰るぞ。」マスグ、トーレンと呼ばれた兵隊たちは帰るといった彼の言葉に驚いています。さらに彼はデムとミロアにはこう言いました。「よく考えておいてください。決して悪い話ではないはずです。」最後に子供たちを見ました。今はみんな彼をにらんでいます。そのままくるりとキオたちに背を向け、ディスマン氏の館へ向かって歩き出しました。あわてて他の2人も彼の後を追って出て行きました。そして彼に追いついた兵隊が話しかけました。「どうしたんですか?あんなガキども、追っ払えばいいでしょう!」「いや、それはよくないな。あそこで子供相手に乱暴なことをすれば騒ぎが大きくなる。デムたちも怖気づいてしまうかもしれない。あくまでも我々は使いとしてここに来たのだ。それを忘れるな。」そして今度は独り言のようにつぶやきました。「…やはり変装して村に入るべきだったかもしれん。これではあの子をさらっていくように思われても仕方あるまい。目立たないようにしなければいかんな。」彼は自分たちが来たことによって、この村の空気が張り詰めたものになっていることを肌で感じ取ったようでした。それからまた後ろの2人に向かってこう言いました。「私は館に戻ったらディスマンと話をする。その間にお前たちは、後の者に館の外には出るなと伝えておいてくれ。」「はい。」「わかりました。」それだけ言うと、彼は黙って館へ歩いていきました。

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はじめまして。甲斐ミサキと申します。
自サイト《ミナソコノ住人》にて、『ココログで読める小説群』と題し、ココログ内で発表されている小説の蒐集と紹介を行っております。このたび貴サイトへのサイト、小説へのリンクをお願いしたいと思うのですが、掲載許可願えると幸いに存じます。

それでは失礼しました。

投稿 甲斐ミサキ | 2005年12月26日 (月) 14時41分

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